デジタルスキルのあけぼの ~2027年度から始まる新たな情報処理技術者試験の概況~
みなさん、こんにちは!テクテクです。
IT業界で知られる情報処理技術者試験という国家資格をご存知でしょうか?
この資格の試験制度が約30年の時を経て大変革を迎えようとしています。
今回は、2027年に大きく変わろうとしている新試験制度の内容に迫ります!
時代を反映した制度の見直し

民間のIT資格はサービスやフレームワークの更新に伴い随時アップデートされますが、国家資格はそんな環境変化の影響を受けにくい普遍的内容にフォーカスしてきました。しかし、データ利活用やAIの進展は国家資格にすら変更を余儀なくさせています。
今回は以下3点を押さえたいと思います。
- 高度試験の区分変更について理解する
- 試験科目と出題形式について理解する
- 免除制度と適用条件について理解する
高度試験の区分変更と試験概要
高度試験の区分変更

旧制度の高度試験が再編され、2027年度の夏頃から秋頃に新たな試験が開始される予定となっています。そして、DXやAI利活用を通じた新たな価値創造に向け、幅広いスキルを評価する試験に変わります。情報処理安全確保支援士を除く高度試験の8領域がいよいよ3領域に統合・再編されるのです。
新試験制度における3つの高度試験
- プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)
- プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験(仮称)
- プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験(仮称)
かなりスッキリと区分が再整理されており、データ・AIは新たな領域が加わった印象を持ちます。更に3領域すべての試験に合格した場合、フルスタックスキルのデジタル証明発行が検討されているそうです。ソロプレナーがAIを武器にプロダクトを創り上げる時代なのでフルスタックを認定する考え方はありかもしれません。
試験科目と出題形式

3試験(マネジメント、システム、データ・AI)の試験時間・出題形式・問題数は共通しています。そして、2027年度からこれらの試験がCBT方式に完全移行するのです。これは大きい。なぜならば、これまで高度試験に立ちはだかってきた記述式・論述式の試験が廃止されることを意味するからです。
試験科目と出題形式
- 科目A-1(60問): 多肢選択式(四肢択一)
- 科目A-2(23問): 多肢選択式(四肢択一)
- 科目B(12問): 多肢選択式(※四肢択一ではない)
高度試験に存在した記述式・論述式が廃止されることは一部の受験者には朗報ではないでしょうか。私の周囲でも2時間で約2800字の論文を書くのはムリと受験を諦める人は多かったように思います。CBT方式の多岐選択式試験になれば受験者が増加し、競争率が引きあがる可能性すらありそうです。
免除制度と適用条件

プロフェッショナルデジタルスキル試験でも現行の高度試験と同様に免除制度が設けられる予定です。経過措置として、現行制度で免除要件を満たせば、一定期間新試験で「科目A-1」が免除されます。また、新試験のいずれか1領域に合格すれば、旧応用情報技術者試験に合格したのと同じ免除が受けられるようです。
経過措置を読む限り、高度試験合格者または既存試験の午前Ⅰ合格者が少し有利に試験を受けられそうです。免除申請を狙うなら、2026年11月、2027年2月のどちらかの試験で午前Ⅰ合格を果たしたいところです。現行ルールでは2年後の同時期に行われる試験まで免除申請が可能なのでこちらも踏襲しそうですね。
新設3区分の統合・再編と対応
プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験

この試験は、組織やビジネスにおいて、データおよびデジタル技術を利活用するプロセスをマネジメントする、専門的な知識および技能が目標とする水準に達しているかを評価します。そして、旧制度の5つの試験が1つにまとめられ、マネジメント領域として統合・再編されるようです。
- 応用情報技術者試験
- ITストラテジスト試験
- プロジェクトマネージャ試験
- ITサービスマネージャ試験
- システム監査技術者試験
統合の対象となる5つの試験は重複が少ないため、この分野の知識エリアは相当に広い印象を受けます。しかし、情報化構想からシステム監査までには時系列の流れがあるのでストーリー型のアプローチが適用できそうです。マテリアルは多いので勘所を整理して選択ミスをしないようにする工夫が効きそうな気もします。
プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験

この試験は、デジタル技術を適用するシステムに関して、要件定義・アーキテクチャ設計・開発・運用を主導する専門的な知識および技能が、目標とする水準に達しているかを評価します。そして、旧制度の4つの試験が分野横断的にまとめられ、システム領域として統合・再編されるようです。
- 応用情報技術者試験
- システムアーキテクト試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験
データ利活用の視点は除くとして、システム構築に関する技術が集約されたような領域になりそうです。アプリケーションからインフラまで多様な技術要素が登場するのでひとまず広く浅く知識習得ですかね。パート別に攻略することができる点が技術の良いところなので小さくインプットとアウトプットを反復しておきます。
プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験

この試験は、組織やビジネスにおけるデータドリブンな活動を支えるための基盤を構築し、データを整備する専門的な知識および技能が、目標とする水準に達しているかを評価します。そして、旧制度の2つの試験が一つにまとめられ、データ・AI領域として統合・再編されるようです。
- 応用情報技術者試験
- データベーススペシャリスト試験
さすがに旧制度の試験を統廃合するだけではデータ・AI領域をカバーするのは難しいと考えられます。そのため、この領域に関してはシラバスに新たな学習領域が追加されやすいものと推察します。個人的にはG検定やE資格からベンダー固有でないエッセンスが追加されてくるのかなと思ったりします。
まとめ
今回は、情報処理技術者試験制度の見直しについて確認してみました。
国家資格にデータ・AI領域やフルスタック認定が追加されることは興味深いと思います。IT業界で更新が不要な希少資格ですし、一般的に早期受験にはメリットが多いことが知られています。となれば、2027年の夏秋は「プロフェッショナルデジタルスキル試験」に燃えるしかなさそうです!
それでは、また~♪
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